モンテッソーリ教育

言葉を覚える前から|ベビーサインを親子で楽しむ

ベビーサインはモンテッソーリ教育の視点から言っても、おすすめのコミュニケーション方法です。

ただ、絶対やらないといけないことでも、無理してやることでもありません。

楽しくゆる〜くやるのがちょうどよい感じです。

この記事は、以下のような方たちに向けて書きました。

では、ベビーサインがどんなものか実体験を含めてご紹介していきます。

 




ベビーサインとは?

ベビーサインとは、言葉だけで十分な会話ができない幼児期に、コミュニケーションを助けるためのジェスチャーのこと、です。

ベビーサインの特徴
  1. 子どもがやりやすい動き
  2. イメージしやすい動き
  3. 親子で通じるサインを自由に作れる

 

  1. 子どもがやりやすい動き

まだ手や指を繊細に動かせない子どもでもやりやすい手の形や動きが取り入れられています。

《ベビーサイン 基本の手の形》

  • グー
  • つぶれた丸
  • カップの手
  • パー
  • 1の指

こういった手の形を左右で組み合わせて、動きをつけることで無数のサインを作っていきます。

 

  1. イメージしやすい動き

ベビーサインは、子どもがそのものを連想しやすいように、手の動きが工夫されています。

例をあげるとこんな感じです。

指をそろえて、手のひらをひらひらと動かしながら前に進む

  • 立つ

Vサインをつくり、もう片方の手のひらに寝かせてから起き上がらせる

 

  1. 親子で通じるサインを自由に作れる

同じことを表すベビーサインでも、国やコミュニティ、書籍によって違うことがよくあります。

何が正解で、何が間違いというものではありません。

基本は「お互いに通じるサインをする」ということです。

 

同じことを表すのにいくつかサインがあって迷うときは、親子で使いやすいサインを選べばよいだけです。

さらに言うと、親子だけで通じるサインを自由に作れる、ということです。

みなさんも、家族だけで通じる言葉や動きがあったりしませんか?

本来、赤ちゃんと自然にやりとりしている中でできたサインを一般化したのがベビーサインです。

いまあるカタチが絶対ではないので、気楽にアレンジしたり、オリジナルサインを作ったりできます。

 

ベビーサインのおすすめポイント

おすすめポイントは4つです。

  1. 親子のコミュニケーションがとれる
  2. 子どもの見る力が育つ
  3. 子どもの自信につながる
  4. 言語発達の助けになる

 

  1. 親子のコミュニケーションがとれる

言葉で会話ができない年齢でも、ベビーサインを使うと 子どもは何をしたいのか自分で表現して親に伝えることができます。

反対に親が伝えたいことを理解することもできるようになり、親子のコミュニケーションがより活発にとれるようになります。

 

  1. 子どもの見る力が育つ

ベビーサインを取り入れながらコミュニケーションをすると、子どもがよく親の手の動きを見るようになります。

よく見てやり方を覚える、というのはモンテッソーリ教育の「提示」と同じです。

ベビーサインでよく見る習慣がついていると、モンテッソーリ教育に入っていきやすくなります。

また、学習を進めていくときには「見る力」が必要になってきます。

見る力をつけていくのは、これからの学びの基礎にもつながっています。

 

  1. 子どもの自信につながる

幼児期はだんだん言葉を使えるようになってきても、思うように自分のことを伝えられない葛藤がある時期です。

ベビーサインでまわりの大人に自分の意図が伝わると、

「伝わった!」
「分かってもらえた!」
「うれしい!」

と子どもが感じることで自信につながります。

 

  1. 言語発達の助けになる

モンテッソーリ教育では「子どもは動きをともなって学ぶ」と考えています。

どういうことかと言うと、見るだけでなく、手を動かして触って「これは三角形」「これは10」ということを習得していきます。

この考えをもとにすると、ベビーサインは子どもの発達を助ける1つの要素とも言えます。

「ミルク」という言葉を例にしてみましょう。

 

《ベビーサインなしの場合》

ミルクを目で見て、ミルクという言葉を耳で聞くだけでは感覚器官だけ刺激されている状態です。

脳に情報は伝わっていますが、動きをともなっていないので情報をうまく処理できません。

 




↗︎  
感覚器官
↑↑↑
  外的刺激  

 

《ベビーサインを使う場合》

ミルクを目で見て、耳でミルクという言葉を聞き、手でミルクを表現することで、脳の学びの回路が活性化していきます。

理解を深めるには動きをともなうことが必要ということです。

 




↗︎  ↘︎
感覚器官 運動器官
↑↑↑ ↓↓↓
  外的刺激 運動  

 

ベビーサインを使わなくても、子どもは自然と動きをともなって学んでいきます

ベビーサインをしないと子どもの成長に悪影響ということではありません。

ベビーサインは子どもの発達の仕組みをうまく取り入れているな、ということを言いたいのです。

 



ベビーサインの注意点

ベビーサインを楽しむための注意点は3つです。

  1. 無理にやらない
  2. 気長に続ける
  3. まわりの大人が影響する

 

  1. 無理にやらない

ベビーサインはコミュニケーションの1つの手段です。

楽しくコミュニケーションをとるのが目的なので、無理にやる必要はありません。

親自身が無理してしまいそうだったり、子どもに無理に覚えさせようとしたりするなら、ベビーサインをやめましょう。

ベビーサインをやらなくても、子どもの成長に何の問題もありません。

興味がある方はまず1つか2つのサインから気楽にはじめてみるのがおすすめです。

 

  1. 気長に続ける

あせって覚えさせようとするのは禁物です。

ベビーサインを見せても、子どもは最初 何も反応しなかったり、興味がなさそうだったりするものです。

気長に子どもとのコミュニケーションを楽しみながらサインを見せていきましょう。

子どもはどんどん成長しているので、そのうちどこかのタイミングでサインをやってくれるようになります。

それが1ヶ月後か半年後かは個人によります。

もし親がめんどうに感じたり、飽きてきたら、やめちゃってもいいんですよ。

くり返しですが、ベビーサインは「なくてはならないもの」ではなくて、「あったらいいな」くらいのものです。

 

  1. まわりの大人が影響する

ベビーサインは親1人だけがやっていても子どもは習得できません。

まわりの大人にもベビーサインを理解してもらって一緒に取り組んでもらえると、子どもは覚えていきやすくなります。

でも、何十個もサインを覚えてほしいと要求されるのは、興味のない大人にとってキツいものです。

まずは「ミルク」など日常よく使うサイン2、3個だけを一緒に使ってもらうところからはじめてみるのがおすすめです。

ベビーサインでのコミュニケーションが楽しくなってきたら、自然ともっと覚えようとなってくれるかもしれません。

 

子どもが まわりの大人に影響されるのは自然なことです。

保育園に通いはじめると、ふだん一緒に過ごす大人が保育士さんたちになります。

そうなると、ベビーサインの習得スピードは下がります。

親子で過ごす時間が減って、サインを使う機会も減るからです。

ベビーサインを使うことにこだわりすぎると、ここで葛藤が生まれるかもしれません。

対策として、保育士さんにも協力してもらって園でもベビーサインを使ってもらう、ということも考えられます。

でも、保育園にもよりますが、保育士さんの業務量から考えると現実的ではないでしょう。

そんなときは、家だけで楽しめればいい、と割り切ることも必要かと思います。

わが家では0歳から保育園に通っていましたが、日常よく使うベビーサインはずっと使い続けていました。

目的は親子のコミュニケーションを楽しむためなので、時々ベビーサインを使うくらいがちょうどよい感じでした。

お仕事をがんばるパパママが「子どもと楽しくコミュニケーションをとるきっかけ」くらいでいいのです。

ベビーサインのはじめ方

ベビーサインをどのようにはじめていけばいいのか、具体的にご紹介していきます。

いつからはじめる?

ベビーサインは、早ければ生後6ヶ月くらいからはじめられます。

目が見えるようになり、お座りもできて、手が動かせるようになる頃がはじめどきです。

子どもの成長に合わせてやってみましょう。

わが家は1歳になる前くらいからはじめました。

ベビーサインのやり方

ベビーサインをどうやって子どもに見せていくのか、くわしくご紹介していきます。

 

  1. 使いやすいベビーサインをピックアップ

書籍やネットでは、たくさんのベビーサインが紹介されています。

全部やる必要も覚える必要もありません。

ふだん子どもと接している中でよく使う言葉をいくつかピックアップすることからはじめてみましょう。

 

  1. 実際の場面で言葉に出して、サインを見せる

例:「ミルク」のベビーサインの見せ方

1. 赤ちゃんがお腹がすいているようなら「ミルク飲もうか」と声をかける

2. ミルクを見せる

3. 「ミルク」とゆっくり発音する

4. ミルクのベビーサインをゆっくり見せる

5. 3と4を何度かくり返してからミルクを飲ませる

※ お腹がすいて激しく泣いている場合もありますが、落ち着いているときはくり返し見せてみましょう。

 

ベビーサインを見せるときのポイントは3つです。

  • 言葉と動作を分けて見せる
  • ゆっくり見せる
  • くり返し見せる

 

  • 言葉と動作を分けて見せる

単語とサインが結びつくように、はじめは言葉と動作を分けて見せます。

「ミルク欲しいの?」と話しながらサインは見せないのです。

単語を発音する → サインを見せる

というように、言葉と動作を切り離して見せます。

子どもの脳は発達中で、言葉を聞きながら動作を見て覚える、という2つのことを同時にしようとすると、混乱してうまく処理できないのです。

 

  • ゆっくり見せる

子どもにサインを見せる時は「8倍スロー」を意識しましょう。

大人のスピードでは早すぎて子どもの脳では処理しきれず、覚えられません。

これはモンテッソーリ教育の「提示」とつながるところです。

 

  • くり返し見せる

単語を使う場面で、毎回サインを見せるようにします。

何回かやるだけでは子どもは覚えられないのです。

「いつもミルクを飲むときに この手の動きみるなー」
「そうか、これがミルクという意味か!」

と、だんだん子どもは理解していくのです。

くり返すことで子どもがサインを覚えて自分でもやるようになります。

 



おすすめベビーサイン20選

おすすめのベビーサインはたくさんありますが、20種類に厳選しました。

日常よく使うサインで、わが家でもたくさん使いました。

もうすぐ6歳の長男が今でも使っているサインもあります。

参考になれば嬉しいです。

 

注意点として、同じことを表していても、書籍や団体によって違うサインを使っていることも多いです。

ここで取りあげるのは、1つの例です。

ご自身やお子様にあったサインを選んだり、オリジナルサインを作ったりして楽しんでみてください。

おっぱい/ミルク

 

片手でグーとパーをくり返す。

《使用例》
「牛乳ほしいの?」「おっぱい飲む?」

 

食べる、飲む、おいしい

  • 食べる

片手を「つぶれた丸」にして口にもっていく。

《使用例》
「ご飯食べようか」「これ、食べる?」

 

  • 飲む

片手の親指を立て、口にもっていく。飲むように少し上を向く。

《使用例》
「お水、飲む?」「いっぱいゴクゴク飲んだね」

 

  • おいしい

片手を「パー」にして、ほっぺたをトントンと軽くたたく。

《使用例》
「おいしい?」「これ、おいしいね」

 

おむつ、おしっこ、うんち

  • おむつ

おしりを手のひらでポンポンと軽くたたく。

《使用例》
「おむつ替えようか」「おむつ持ってきてね」

 

  • おしっこ

片手を1の指にして股のあたりで横向きにし、上下に動かす。
おしっこが出るイメージ。

《使用例》
「おしっこ出そう?」「おしっこ出たね」

 

  • うんち
 

グーにして親指を立て、もう片方の手で親指をかくす。
親指を下に下げる。うんちが出るイメージ。

《使用例》
「うんち出たね」「うんち出る?」

 

お風呂、ねんね

  • お風呂

片手を「グー」にして、反対の腕を洗うようにくるくる動かす。

《使用例》
「お風呂入ろうか」「お風呂に気持ちいいね」

 

  • ねんね

両手のひらを合わせて顔の横にもっていき、首を手のほうに傾ける。

使用例
「ねんねしようか」「赤ちゃん、ねんねしてるね」

 

大好き、もっと

  • 大好き

アルファベットの「L」の形をつくって軽く振る。

または、親指、人差し指、小指を立てる。英語の ” I love you ” のサイン。

《使用例》
「大好きだよ」「バナナ、大好きだね」

 

  • もっと

両手を「つぶれた丸」の手にして、トントンと打ち合わせる。

《使用例》
「もっと食べる?」「もっと遊びたい」

 

あける、しめる、おしまい

  • あける

両手を「カップの手」にして、左右の指をつけた状態から離す。

《使用例》
「フタ開けようか?」「この袋、開けてほしいの?」

 

  • しめる

両手を「カップの手」にして、左右の指をくっつける。

《使用例》
「ドア閉めて」「使ったらフタ閉めようね」

 

  • おしまい
 

両手の手のひらを自分のほうに向けて、手首を返すようにはらう。

《使用例》
「もうおしまいだよ」「おやつは これでおしまいね」

 

ちょうだい/貸して、どうぞ、こうかんこ

  • ちょうだい/貸して

両手の手のひらを上に向けて、トントンと手を重ねて打つ。

《使用例》
「このおもちゃ、貸してほしいな」「スプーンちょうだい」

 

  • どうぞ

両手の手のひらを上に向けてそろえ、相手のほうにさし出す。

《使用例》
「おもちゃ、どうぞしようね」「おやつ、どうぞ」

 

  • こうかんこ

両手の親指を立てて握り、交互に前に出す。

《使用例》
「これと交換しようか」「こうかんこして遊ぼうか」

 

本、靴、靴下

両手の手のひらを合わせて、本のようにひらく。

《使用例》
「絵本読もうか」「好きな絵本とってきて」

 

両手をグーの手にして並べて、トントンと打ち合わせる。

《使用例》
「靴とってこようね」「靴ぬいでね」

 

  • 靴下

両手を「1の指」にして下に向け、すり合わせる。

《使用例》
「どの靴下はく?」「靴下はいて行こうね」

ベビーサインのおすすめ本

ベビーサインは、ご紹介した以外にもたくさんあります。

興味のある方はぜひ本を読んでさらに理解を深めてもらえればと思います。

 

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ベビーサインをやってみた結果

私は、長男が1歳になる頃にベビーサインのことを知りました。

サインでコミュニケーションとれたら おもしろそう!と思ってやってみたのですが…

結果、控えめに言って「めっちゃ楽しい!」です。

子どもが楽しそうにサインで気持ちを表現してくれると、とても嬉しいんです。

「お花」とか「お魚」とか「あったかい」とか言葉にするとたった一言ですが、子どもが伝えたい気持ちをのせてサインで表現してくれます。

「お花きれいだねー」
「お魚いっぱいいるねー」
「お手手あったまるねー」

子どもが表現するベビーサインから気持ちを受け取って、そういう会話をするのが楽しいんです。

それで、どんどんサインを使ってコミュニケーションをとっていくようになりました。

 

ただ、無理にやっても親子ともども楽しくないだけなのでご注意ください。

教育のためーとか、子どもの発達のためーとか、意識しすぎると親も子どももキツくなってしまうと思います。

ベビーサインなしでも、子どもは十分によく育ちます。

それでもベビーサインをおすすめするのは、単純に楽しいからです。

まずは1つ2つベビーサインを取り入れてみて、楽しそうなら続けてみるのはいかがでしょうか?

無理せず楽しめるのが1番ですからね。