モンテッソーリの活動をする上で必要なのが、道具をのせるトレー(お盆)です。
魅力的なものがたくさん販売されていますが、そろえようとすると けっこう値段がする…。
百均にはちょうどよいものがない…。
ということで、自分で作ってみることにしました。
モンテッソーリのトレーの特徴とねらい
まず、モンテッソーリの活動で使うトレーについてみてみましょう。
モンテッソーリのトレーの特徴
- 子どもサイズである
- 手でつかみやすい
- 軽い
- 深さがちょうどよい
- シンプルなデザイン
- 子どもサイズである
モンテッソーリ教育では子どもが自分で取り組める環境を重視しています。
そのため、トレーは子どもが持ちやすいサイズであることが求められるのです。
サイズは、横幅は20〜30㎝くらい、奥行きは10〜20㎝くらいが3歳以下の子どもが使いやすいサイズです。
- 手でつかみやすい
手で握れるグリップがあると、子どもはしっかり持って運ぶことができます。
写真のようにグリップのないトレーだと、3歳以下の子どもには持ちにくくトレーの中身を落としてしまいます。
- 軽い
大人用の重量感のあるものは、子どもには取り扱いが難しいものです。
重さは500g程度がおすすめです。
- 深さがちょうどよい
浅すぎると、子どもが持ち運ぶときに中身を落としやすくなります。
深すぎると、棚に並んだときに中身が見えず子どもが選びにくくなります。
深さは3〜5㎝くらいがおすすめです。
- シンプルなデザイン
キャラクターや絵が描かれているものは、子どもの興味を引きつけます。
お仕事に集中できるように、何も描かれていないものにしましょう。
素材は木製がおすすめです。
モンテッソーリのトレーのねらい
- 秩序感があり、子どもが選びやすい
- 子どもが自分で運び片づけることができる
- トレーで運ぶこと自体がお仕事
- 秩序感があり、子どもが選びやすい
モンテッソーリ教育では、子どもに分かりやすいように「1つのトレーに1つのお仕事」を用意します。
トレーを使うことで棚が整然とし、子どもが選びやすくなります。
具体的には、
- 難易度の順(簡単なもの→難しいもの)に並んでいる
- お仕事の種類ごとに並んでいる
というように棚を整理します。
このような秩序感があると、子どもは安心して選ぶことができます。
- 子どもが自分で運び片づけることができる
トレーを使うことで、子どもは自分で運び、元の場所に自分で片づけることができます。
これは、「自分でできるんだ!」という自信になり、子どもの自立にもつながります。
- トレーで運ぶこと自体がお仕事
歩けるようになった子どもは、何かを持って「運ぶ」ということをやりたがるようになります。
これは「自分が思うように体を動かせるようになりたい!」という運動の敏感期のあらわれです。
そんな子どもにとって、しっかり握ってバランスをとりつつトレーを運ぶことが魅力的なお仕事になります。
モンテッソーリのトレーの材料
今回は、幅 30 × 奥行 21 × 高さ 3 ㎝のトレーを作ります。
こんな感じのトレーです。
- ファルカタ材 21×90×0.6㎝ 492円
- 木工用ボンド 110円
- 釘(長さ1〜1.2㎝) 110円
- 紙やすり 110円
合計 822円
すべて購入した場合の金額です。
木工用ボンドや紙やすりなど、家にあればそのまま使えます。
ファルカタ材は軽くて加工がしやすくておすすめです。
ホームセンターで購入することができます。
釘の長さは、ファルカタ材の厚みによってちょうどよいものを選びましょう。
ここでは、厚さ0.6㎝のファルカタ材を使うため 釘の長さは1.2㎝を使いました。
モンテッソーリのトレーの作り方
材料がそろったら作っていきましょう。
- トレーの大きさを決めて、カット線をひく
今回は、幅 30 × 奥行 21 × 高さ 3 ㎝のトレーなのでこのようなカット線になります。
5㎝幅の板は持ち手部分、3㎝幅の板はトレー枠の長辺部分です。
トレー枠の長辺が31.2㎝となっているのは、板の厚み(0.6㎝×2)を込みでおさまるように設計しているからです。
ファルカタ材をカッターでカットする場合は、両面にカット線をひく必要があります(両面から刃を入れるため)。
持ち手の部分はこんな感じでカット線をひきました。
持ち手の穴は 2 × 9 ㎝ の大きさにしました。
端は丸みをつけたかったので、コンパスで半円を書いています。
今回のトレーの大きさはあくまで一例です。
数字を変更すると、好みの大きさに合わせてトレーを作ることができます。
ぜひオリジナルのトレーを作ってみましょう。
- ファルカタ材をカットする
厚さ0.6㎝のファルカタ材はカッターで両面からしっかり刃を通すと切れます。
片面に刃をしっかり入れる | もう片面にもしっかり刃を入れる |
すべてカットしたものがこちら。
持ち手部分はこんな感じになりました。
カッターで切ったのでけっこうデコボコしています。
- 紙やすりで滑らかにする
特に持ち手部分は、念入りにやすりがけしましょう。
ファルカタ材は柔らかい素材なので、ヤスリがけすると簡単に滑らかになります。
鉛筆の跡は消しゴムで消しておきます。
- 木工用ボンドで接着する
しっかり接着するまで置いておきます。
- 釘を打つ
ボンドが乾いたら、釘を打っていきます。
丈夫に作りたかったので、わが家は18ヶ所に釘を打ちました。
長辺は端に2ヶ所ずつ計8ヶ所打つ | 持ち手には片側に5ヶ所ずつ打つ |
大きさによっては釘を打つ場所を増やして補強しましょう。
- お好みでラッカー塗装する
木のささくれが出ないか気になる方は、ラッカー塗装してみましょう。
水や汚れにも強くなる効果があります。
完成品はこのようになりました。
けっこういい感じに仕上がりました♪ | 3歳児も持ちやすい |
完成品の重さは195g。
軽くて扱いやすいのもよかったです。
モンテッソーリのトレーを手づくりしてみた結果
満足度を表にしてみました。
お金 計 602円 | |
時間 計 3時間 | |
完成度 |
個人的には、思いどおりのものができて大満足です。
子どもが使っているところは こんな感じです。
家の棚に合ったサイズを作れて、出費もおさえられるのが手づくりの魅力です。
やはり市販に比べると、見劣りはします。
釘を打って作っているので、釘が飛び出ていると子どもがケガをする恐れもあります。
ただ、実際に使ってみて、自宅で使う分には問題ないかなというのが実感です。
まとめ モンテッソーリのトレーを手づくり
おうちでモンテッソーリの活動を進めていくには、トレーが必要です。
ただ、いくつもそろえるのは出費がかさんでしまいます。
そんなときは 市販のものと組み合わせながら、手づくりトレーを取り入れてみるのも1つの方法です。
子どもに合わせてカスタマイズしていくのも楽しいですよ。