子どもの食事やキッチン関連の悩み、ありませんか?
- もっと食べることに興味をもってほしいな
- 子どもが台所に入ってこようとする…
そんなときは、思いきって台所育児をはじめてみるのがおすすめです!
台所育児とは?
「台所育児」は、料理研究家の坂本廣子さんによって提唱されたものです。
料理を通じて、生きる力と知恵を身につける
この価値観をもとに考えられた育児方法です。
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坂本さんはNHK「ひとりでできるもん」を監修された方。
3、40代なら小さい頃に見て、自分もやってみたい!とチャレンジした人も多いはず。
台所育児 何歳からできる?
結論、興味を示したら何歳からでもOK!
一緒に台所に立ち、年齢に合わせてそのときできることをすればいいのです。
自分でお座りできるようになったら、床に座ってキャベツをちぎったりすることもできます。
具体的には「【年齢別】台所育児のはじめ方」でご紹介します。
台所育児を楽しむコツ
「台所育児やってみよう!」といきなり始めるのもいいですが、
子どもと一緒に楽しむためのポイントをおさえておくとよりスムーズです。
- 親に余裕があるときにする
- 整理整頓して安全対策する
- 子どもを見守る
- 1つの工程に絞ってやってもらう
- 前よりもできているところを伝える
- 親に余裕があるときにする
何事も楽しまないと、うまくいかない。
わかっちゃいるけど、気持ちの余裕がないと楽しめるものも楽しめません。
「毎日一緒に台所に立たないと!」なんて意気込みすぎず、
「あ、今日できそう」というときにやってみましょう。
- 整理整頓して安全対策する
気持ちの余裕ができたら、キッチンまわりを整理整頓しましょう。
いろいろ置いたままにしていると、子どもがぶつかって落としたりして対応がたいへん…。
その料理で使うもの以外は片づけておいて、すっきりした状態にするのがベストです。
- 子どもを見守る
大人はついつい「危ない!」と思って手伝ったり、口を出したりしがちです。
すると子どものやる気が削がれて、「もうやらない!」となってしまったり…(実体験)。
気持ちの余裕が持てて、安全な環境を整備できたら、汚れてしまうのは諦めて、じっと見守ってみましょう。
子どもは回数を重ねるごとに、どんどんできるようになっていきます。
- 1つの工程に絞ってやってもらう
料理は手順に沿って進めていくものです。
すべてを子どもと一緒にするのは、最初はなかなかできません。
慣れるまでは、
- 皮をむく
- 野菜を切る
- 材料を混ぜる
など、1つの工程に絞ってやってもらいましょう。
- 前よりもできているところを伝える
最初はできなくても、子どもは回数を重ねるごとにどんどんできるようになっていきます。
そのことをしっかり言葉にして伝えることで、子どもの自信につながり、より料理を楽しむようになります。
他人と比較して褒めない
「お兄ちゃんが小さいときよりできてるね」など他人と比べて褒めるのではなく、本人の成長過程を見て伝えるようにしましょう。
台所育児のメリット、デメリット
台所育児を実際にやってみると、やっぱりメリット、デメリット両方ありました。
台所育児のメリット
モンテッソーリ教育の視点も入れて、台所育児のメリットをご紹介します。
- 食べ物、料理に興味をもつようになる
- 子どもの自信につながる
- 五感を刺激し、手先を使って脳を発達させる
- 子どもの知的教育にもつながる
- 食べ物、料理に興味をもつようになる
生きることは、食べること。
食べるための基本となる食材や料理に興味をもつことは、生きる力を育みます。
少食、偏食の長男と料理をすることで、食べる量や幅も増えたと感じています。
- 子どもの自信につながる
「自分でできた!」という経験を積むことで、子どもの自信がつきます。
自信がつくことで、ふだんの生活でも主体的に取り組む姿勢が見られるようになります。
- 五感を刺激し、手先を使って脳を発達させる
感覚器官が特に敏感な幼児期(0〜6歳)に、台所育児はおすすめです。
五感を使ってたくさん情報を吸収し、その情報を頭の中で整理する時期だからです。
- 触覚
皮をむいたり、切ったり、こねたりして、感触を確かめる
↓
これは“柔らかい”、これは“ツルツル”と認識する
- 嗅覚
食材、調味料、料理の匂いを嗅ぐ
↓
この匂いが “にんじん”と理解する
- 視覚
キャベツの葉をたくさん見る
↓
色の違いを見分ける。これは“緑”、こっちは“黄緑”と認識する
- 味覚
調味料の味を知る
↓
これは“甘い”、これは“苦い”と認識する
- 聴覚
煮る音を聞く
↓
煮えていく音の違いを聞き分ける
このように、感覚から漠然と情報を吸収して、その情報を1つひとつ整理して理解していきます。
この発達が、将来の知的教育の土台としてとても大切なのです。
また、料理は手先をよく使います。
手や指先の力を調整できるようになることも、脳の発達にとても重要です。
- 子どもの知的教育にもつながる
知的教育とは、学校教育で言うと「国語、算数、理科、社会」のように自分で学びを深めていく分野のことです。
料理をすることは、この知的教育にもつながっています。
具体的にはこんな感じです。
《 国語 》
- レシピを読んで理解する
- 煮る、刻む、拍子切りなど言葉の意味を実際に体験して理解する
《 算数 》
- 小麦粉100gを量る
→数字を読み取る、どれくらいが100gか量感を理解する - 小麦粉100g、砂糖50g、合わせると何gになる?
→たし算を実物で体感する - 3分の1を加える、4等分にする
→分数の考え方を体感する
《 理科 》
- 酒を入れると匂い消しの効果がある!
- しょうゆ、酒、みりん、砂糖で照り焼きの味になる!
- 同じ調味料を使っても、量が違うと味が変わる!
《 社会 》
- この野菜はどこで採れたのかな?
- 捨てたゴミはどこに行くのかな?
台所育児のデメリット
やってみて感じたデメリットはこちら。
- 料理に時間がかかる
- 片づけがたいへん
- 異年齢の子ども2人以上と一緒にするのはたいへん
「台所育児を楽しむコツ」を押さえていたとしても、やっぱりたいへんなものはたいへんです…。
大人1人でつくる時間の倍はかかるし、床まで汚れて片づけもたいへんだし、子どもの服も着替えが必要だったり。
4歳を過ぎるとずいぶんラクにはなりました。
でも、上の子が大きくなってラクになったら、今度は下の子が見守るのがたいへんな時期に…。
わが家では、たいへんなのもひっくるめて楽しめる余裕があるときにしかやらないようにしています。
【年齢別】台所育児のはじめ方
台所育児はいつからでもできますが、まずはできることからスタートしてみましょう!
【0〜1歳】ちぎる
腰がすわって1人で座れるようになったら「ちぎる」作業をやってみましょう。
「ちぎる」ものとしては、こんな感じ。
- キャベツ
- 海苔
- トマトのヘタ
興味をもったら、夢中でちぎってくれます。
大きさはマチマチ、握りすぎてヘニョヘニョになることはご了承ください 笑
下の子に床でちぎってもらって、上の子と料理する、ということもできます。
【1歳〜】むく
小さい子どもでも取り組みやすいので、はじめて台所育児をするなら「むく」もおすすめです。
「指先で皮をつまんで、力を入れて動かす」という作業。
手先を動かしたいこの年齢の子どもにぴったりの工程です。
「むく」のに おすすめの食材はこちら。
下にいくほど難易度が上がっていきます。子どもの様子を見てやってみましょう。
- バナナの皮
- 玉ねぎの皮
- とうもろこしの皮
- キャベツ
- エンドウ豆
3歳ごろになったら、ピーラーを使って皮をむくこともやってみましょう。
はじめてのピーラーは切れ味のない、百均のものがおすすめです。
(無印のピーラーは切れ味よすぎて危険でした)
【1歳〜】こねる
手全体を使って「こねる」のも子どもが大好きな作業です。
パンやクッキー生地を粘土のようにこねて、好きな形をつくることを楽しみます。
【2歳〜】洗う
水に触ったり、流れるのを見たりするのが大好きな子どもにぴったりなのが「洗う」作業です。
「洗う」ものはこんな感じ。
- 野菜を洗う
- お米を洗う
野菜は流水ではなく、水をためたボールにつけて洗ってもらうのがおすすめです。
お米は「注ぐ」と合わせてやるのもおすすめです。
米のつぶつぶの感触が楽しいようで、お米洗いの度にやりたがっていました。
【2歳〜】まぜる
手を思うように動かせるようになってきたら、いよいよ調理道具デビューです。
まずは「まぜる」がおすすめ。
手動の泡立て器で、卵やホットケーキミックスなどを「まぜる」ことから始めてみましょう。
慣れてきたら、木べらを使ってまぜたり、炒めたりすることもできるようになってきます。
【2歳〜】注ぐ
「注ぐ」は手で入れ物や道具をしっかり持ち、手首を返す動きをします。
手を思うように動かしたい、この年齢の子どもが喜んでする工程です。
材料が落ちていく様子を見るのも楽しいみたいですね。
具体的に「注ぐ」のはこんな感じ。
- 卵、砂糖などの材料をボールに注ぐ
- お米をボールに注ぐ
- ホットケーキをお玉ですくって、フライパンに注ぐ
最初のころは、事前に注ぐものを入れ物に入れて準備することが必要です。
【3歳〜】切る
包丁を使って「切る」作業です。
最初はプラスチック製のナイフでもOK。
扱いに慣れてきたら、本物の包丁を使ってみましょう。
本物を使うことで、集中して取り組むことができ、子どもの自信にもつながります。
包丁を選ぶときのポイントはこちら。
- 子どもが扱いやすいサイズ
- 子ども用に切れ味を調整されたもの
そして具体的に「切る」ものはこんな感じ。
下にいくほど難易度が上がっていきます。子どもの様子を見てやってみましょう。
- バナナ、きゅうり
- 棒状にカットしたニンジン、大根など
- 茹でたほうれん草、キャベツなど柔らかいもの
- そのままのじゃがいもやニンジン、トマトなど
包丁の扱いに慣れてきたら、じゃがいもやトマトなどの不安定な形のものも最初から切れるようになります。
【4歳〜】のばす
麺棒に力を均等に加えるために、運動の調整が必要な作業です。
クッキーやパンなどのお菓子作りで、一緒に楽しみながらできますね。
「薄くのばしすぎたクッキーは焦げてしまう」という、子どもにとっては新鮮な発見もあったりします。
【4歳〜】割る
指先の力を調整して、卵を割る作業です。
「割る」工程には、子どもの発達に必要ないろんな要素が含まれています。
- 卵をしっかり持つ
- 硬いところに卵の真ん中を当てる
- ヒビが入る音を判断する
- 指先の力を調整して半分に割る
目と耳と触覚を使って、自分の手をより洗練させて、思うように動かすことができるようになります。
【4歳〜】ひっくり返す
手を思うように動かせるようになると、手首をうまく使って「ひっくり返す」こともできるようになります。
その準備段階として、フライ返しの扱いに慣れておきましょう。
「できあがった目玉焼きやホットケーキをフライ返しを使って、お皿に移す」
ということができるようになったら、「ひっくり返す」こともやってみましょう。
最初は、ホットケーキやお好み焼きをフライ返しでひっくり返すのがおすすめです。
子どもがひっくり返しやすい大きさにする
慣れてきたら、卵焼きをつくることもできるようになってきます。
【6歳〜】レシピを見て自分でつくる
基本の料理工程ができるようになったら、自分で最初から最後まで作れるようになります。
- 子どもが食べたいもの、誰かのために作りたいものにする
- レシピは子どもが読めて、理解できるものを用意する
- 最初は簡単な工程のものから始める
最初は、ホットケーキ、クッキー、カレーなどが簡単な工程でおすすめです。
ただし、子どもの「作ってみたい!」の動機が1番大切です。
子どもの気持ちを確認して、子どもが1人で作れるようにサポートしていきましょう。
まとめ おうちモンテで台所育児
もともと料理が得意でない私は、台所に立つのが億劫でした。
子どもが生まれると、そこに負のスパイラルが発生。
子どもは動けるようになるとどんどん台所に進出してくる
↓
子どもをあしらいながら料理するのはたいへん
↓
もっと料理するのがイヤになる
これを断ち切るために、「 “育児” と割り切ってやってみよう!」と切り替えたら、けっこう楽しめるようになってきました。
「今度はどんなもの一緒に作ろうかな」と考えたり、「手先がうまく使えるようになったからこの工程できそう」と気付いたり。
もちろん後片づけがたいへんだったりしますが、子どもを台所から遠ざけてもたいへんなことは変わらない。
それなら、一緒にやっちゃおう!
台所育児は、料理が苦手な人にこそ おすすめしたい方法です。