2歳ごろの子どもは、指先の力がつき、小さい物をつまむことができるようになります。
すると、ボタンやファスナーなどに興味を持つようになってきます。
そんなときにおすすめなのがモンテッソーリの「着衣枠」の活動です。
モンテッソーリの「着衣枠」とは?
着衣枠はモンテッソーリの「日常生活の練習」で使う道具の1つです。
洋服を切り取ったようなデザインが特徴です。
着衣枠の種類はいくつもあり、
- マジックテープ
- スナップボタン
- ファスナー
- ボタン
- リボン
など、日常で使うもので構成されています。
着衣枠の特徴は、子どもにとって難しいところを1つだけ取り出して取り組めるようにしていることです。
例えば、ふだんの生活の「服を着る」という動作には
- 服を着やすいように広げる
- 片腕ずつ腕を通す
- ボタンを順番にとめる
など、子どもにとって難しいポイントがいくつも重なっています。
ポイントを1つに絞ることで、子どもは理解しやすく集中して取り組めるのです。
子どもからのサイン!「着衣枠」の活動のはじめどき
はじめるタイミングは「敏感期」に合わせるのがポイントです。
子どもの手先の感覚がより研ぎ澄まされているときにはじめるのがおすすめです。
具体的な子どもからのサインはこんな感じ。
- ビー玉など小さい物をしっかりつまむようになる
- ファスナーを上げ下げしたがる
- ボタンに興味を持ちはじめた
- 自分で着替えをしたがるようになった
年齢でいうと1歳半〜2歳ごろがはじめる目安です。
ただ、年齢にこだわらなくても大丈夫です。
子どもは そのときの成長に1番必要なものに強く興味をもちます。
子どもを観察して、ちょうどよいタイミングで 子どもに合った活動を用意していきましょう。
手づくりもできる!モンテッソーリの「着衣枠」
着衣枠は手づくりもできます。
モンテッソーリ園や教室でも、手づくりされているところがありました。
ここでは、
- ファスナー
- スナップボタン
- ボタン
の3つに絞ってご紹介します。
- コルクボード30×30㎝
- 布 約65×25㎝(着衣枠1つ分)
- ファスナー30㎝
- スナップボタン(直径15mm)5個
- ボタン(直径18mm)5個
- 木工用ボンド
- 画鋲
コルクボードは百均で購入できます。
布は、着衣枠1つ分の大きさの目安です。作りたい着衣枠の分だけ用意しましょう。
着衣枠の種類によって布の色を変えるのがおすすめです。
種類ごとに色が違うと、子どもが選ぶときにパッと見て分かるからです。
ファスナーの持ち手は子どもがつまみやすい大きさにしましょう。
目安のサイズは、幅1㎝で長さ2㎝くらいの持ち手です。
ボタンは最初、大きめのものを用意し、慣れてきたら小さいもので練習します。
ファスナー |
スナップボタン | ボタン |
着衣枠の種類は他にも、マジックテープ、リボン、かぎホック、安全ピン、ベルトなどがあります。
子どもの興味に合わせて用意してみてください。
- 布をカットして、端を処理する
布は、約 縦31 × 横23 ㎝(縫い代1㎝込み)を2枚用意します。
カットしたままだとほつれてくるので、端を縫います。
布をめくって裏側も見るのでキレイに処理しておきましょう。
- ボタンなどを縫いつける
ファスナーやボタンの位置を決めて縫いつけます。
ボタンの場合は、ボタンホールも縫います。
ボタンの穴は、少し余裕をもった大きさにします(子どもが着脱しやすいように)。
- 布をコルクボードに接着する
ファスナーやボタンを合わせた状態で、コルクボードに接着する位置を決めます。
コルクボードの枠に木工用ボンドをつけ、布を接着します。
わが家はうしろ側の布は縫わずにボンドで接着するだけにしました。
乾いたら、枠に画鋲を押し、布をしっかり固定します。
これで完成です!
ファスナー | スナップボタン | ボタン(大) |
購入やレンタルもできる「着衣枠」
手づくりするのはたいへん…。時間もないし…。
という方は購入やレンタルをすることもできます。
- 購入するなら
フリマアプリで中古品を購入するのもお手頃価格でおすすめです。
百均でお試しできる着衣枠もありますよ。
- レンタルするなら
モンテッソーリの「着衣枠」のお仕事
子どもが着衣枠に興味を示したら、まずは提示してみせます。
提示について詳しく知りたい方は、こちらをぜひご覧ください。
着衣枠「ボタン」のお仕事
着衣枠にはさまざまな種類がありますが、その中の「ボタン」のお仕事についてご紹介します。
「ボタンの着衣枠のお仕事をしてみようね」と名前を紹介します。
- ボタンを外す
「ボタンを外してみるね」と伝えます。
右手でボタンをつまむ | 左手で布を持つ |
ボタンを穴から出す | 左手でボタンをつまみ、引っ張る |
ボタンがボタンホールから出てきたら「出てきたかな?」と子どもと確認します。
同じように他のボタンもゆっくり外す動作を見せていきます。
すべて外したら「全部ボタンが外れました」と子どもと確認します。
-
布を開ける
1枚ずつ布を開ける |
「開いたね」と手を置いて開いたことを確認します。
-
ボタンをかける
「今度はボタンをかけてみるね」と伝えます。
布を元に戻す |
右手で布持ち少しめくる | 左手でボタンをつまむ |
「出てきたね」とボタンがボタンホールから出てきたのを見せます。
「引っ張るよ」と右手でボタンを引っ張て、とめます。
同じように他のボタンもゆっくりとめる動作を見せます。
すべてボタンをとめたら「全部ボタンがかかりました」と子どもと確認します。
- 終わったら、片づける
提示のポイントは
- 1つひとつの動作をゆっくり(8倍スロー)
- 難しいところはくり返す
- 子どもが見ているか確認しながら進める
です。
最初はボタンを穴へ通すことに苦戦しがちです。
一息ついたタイミングで 苦戦ポイントに絞ってゆっくり提示してみましょう。
まとめ モンテッソーリの「着衣枠」のお仕事
着替えやカバンの開け閉めなど、ふだんの生活に直接つながる「着衣枠」のお仕事。
手先を動かしたい子どもの欲求に合わせて用意すると、夢中で取り組む活動です。
子どもが服のボタンや鞄のファスナーに興味を示したら、着衣枠のお仕事に誘ってみましょう。
百均の着衣枠は、気軽にお試しできておすすめです。