モンテッソーリ教育

色に興味がでてきたらやってみたい|モンテッソーリの「色板」

子どもは いろんなものを見るうちに、好きな色ができたり、目に見えた色を口に出したりするようになります。

色に興味がでてきたらやってみたいのが「色板」のお仕事です。

 




モンテッソーリ教具「色板」とは?

色板は、モンテッソーリの感覚教育で使う教具の1つです。

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感覚教具の中で、視覚に働きかける教具を「視覚教具」と言います。

色板は、この視覚教具の1つです。

「色板」の特徴

色板は、色の違いや濃淡を見分けるための教具です。

そして、色板の箱は3種類あります。

 

  • 色板Ⅰ

赤、青、黄の三原色が2枚ずつ。

ペアにする活動をします。

 

  • 色板Ⅱ

11色が2枚ずつ。

ペアにする活動をします。

 

  • 色板Ⅲ

9種類の色のグループがグラデーションになっています。

1つの色のグループに7枚の色板で構成されています。

濃淡を見分け、グレーディングする活動の教具です。

 

「色板」の効果

効果は大きく3つあります。

  1. 観察力を鍛える
  2. 思考力を鍛える
  3. 学びの基礎となるペアリング、グレーディングを身につける

 

  1. 観察力を鍛える

色板は「色の違い」「濃淡の違い」を見分ける活動です。

よく観察して、違いを見分けて同じ色をペアにしたり、色の濃い順番に並べたりします。

この観察力は、このあとの知的教育でも重要な役割を果たします。

 

  1. 思考力を鍛える

「これとこれは同じ色かな」
「どっちのほうが濃い色だろう?」

子どもは試行錯誤しながら、色を見比べて考え、推理していきます。

これをくり返し取り組むことで思考力がつき、発達が進んでいくのです。

 

  1. 学びの基礎となるペアリング、グレーディングを身につける

ペアリング、グレーディングとは物事を整理する方法です。

  • ペアリング
    2つのものを比較し、サイズ、色、形、重さ、匂いなどが同じものをペアにする
    (例)同じ色の板をペアにする、同じ三角形をペアにする、など 
  • グレーティング
    3つ以上のものを比較し、サイズ、色、形、重さ、匂いなどを大小、強弱などで段階づける
    (例)大きい立方体から小さい立方体へ並べる、同色系の色板を濃い色から薄い色へ並べる、など

発達中の子どもは、身のまわりのものを頭の中で整理できていない状態です。

教具をくり返し取り組むことで、整理する力がついていきます。

そして、整理することで物事の理解が進むのです。

大人も何か考えるとき、整理して理解を深めますよね。

ぐちゃぐちゃ
りんご なす くま
いちご キャベツ とかげ
りす めだか からす
ダチョウ へび まぐろ

整理すると理解できる
《食べもの》
りんご、いちご
《動物》
魚類:  めだか、まぐろ
爬虫類: とかげ、へび
鳥類:  からす、ダチョウ
哺乳類: くま、りす

 

色板は、この整理する力の基礎となるペアリング、グレーディングを習得していきます。

子どもからのサイン!「色板」のお仕事のはじめどき

はじめるタイミングは「敏感期」に合わせるのがポイントです。

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色板は視覚教具。

子どもの色に対する感覚がより研ぎ澄まされているときにはじめるのがおすすめです。

具体的な子どもからのサインはこんな感じ。

  • 色に対しての興味が出てきた
  • 積み木やブロックを同じ色に分けたりする

年齢でいうと2歳半~3歳ごろがはじめる目安です。

ただ、年齢にこだわらなくても大丈夫です。

子どもは そのときの成長に1番必要なものに強く興味をもちます。

子どもを観察して、ちょうどよいタイミングで 子どもに合ったお仕事を用意していきましょう。

 



簡単手づくり「色板」(無料配布してます)

色板は簡単に手づくりができます。

色板のサンプルを作ったので、活用していただけると嬉しいです。

本来の色板は、縦5×横3.5㎝ですが、こちらのデータは縦4.5×横3㎝の大きさです。

色板の教具を参考に作りましたが、まったく同じ色ではありません

ExcelやNumbersで簡単に作れるので、好みの色で色板を自作してみるのも楽しいですよ。

 

色板の作り方
  1. 色のサンプルを印刷する

 

  1. カットする

コピー用紙のままだとすぐに破れてしまいます。

  • コピー用紙をカットして、厚紙に貼る
  • ラミネートしてカットする

など、ご家庭で使いやすい状態にしてみてください。

これで完成です。簡単!

プリンタやラミネーターが自宅にない場合はキンコースやカンプリなどを利用することもできます。

百均のラミネートシートは長く使うのには向きません。

子どもが興味もつか、お試しで作ってみるならいいかも。

 

購入やレンタルもできる「色板」

手づくりするのはたいへん…。時間もないし…。

という方は購入やレンタルをすることもできます。

 

  • 購入するなら
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フリマアプリで中古品を購入するのもお手頃価格でおすすめです。

 

  • レンタルするなら

 

「色板」のお仕事

実際に色板を使ってどのように活動していくのかご紹介します。

色板の基本提示

提示について詳しく知りたい方は、 こちらをぜひご覧ください。

最初は色板Ⅰの箱を使います。

 

色板の基本提示
  1. 色板Ⅰの箱から色板を取り出して、バラバラに置く

持つ部分をしっかり見せて、「ここを持とうね」と伝えます。

色に触れないように、持ち方を3パターンほど見せる

色の部分を持つと、色落ちや汚れで教具の効果が半減します。

  1. 同じ色板をペアにする
  1. 終わったら、片づける

 

提示のポイントは 3つあります。

  • 1つひとつの動作をゆっくり(8倍スロー)
  • 難しいところはくり返す
  • 子どもが見ているか確認しながら進める

 

最初は色の部分を触りがちです。

一息ついたタイミングで 持つところを提示してみましょう。

色板のお仕事「色板Ⅱ」

色板Ⅰで3色のペアリングに親しんできたら、色板Ⅱで色の数を増やします。

提示のやり方は色板Ⅰと同じです。

①色板をバラバラに置く ②同じ色板をペアにする

色板のお仕事「色板Ⅲ」

色板Ⅱの次は、色板Ⅲへ進みます。

最初は同じ色のグループ1つだけ選んで取り組みます。

色板Ⅲの提示
  1. 色板Ⅲの箱から1つのグループだけ取り出しバラバラに置く
子どもに好きな色のグループを1つ選んでもらいましょう

 

  1. 箱はフタを閉じて横によけておく
1つの色のグループに集中できるようにします

 

  1. 濃い色から順番に並べる

「順番に並べていくね」と声かけします。

  1. 終わったら、片づける

1グループのグラデーションができるようになったら、2グループ、3グループ、と数を増やして混ぜ合わせます。

①色のグループごとにバラバラに置く
慣れてきたらグループ分けせずバラバラに置く
②順番に並べる

最大で9グループから色を選び出し並べることができます。

色板のお仕事 発展

基本の操作が身についたら、子どもは自由に活動を発展させていきます。

ここでは、基本となる発展活動をご紹介します。

 

  • いろんな並べ方をする(色板Ⅲ)
中心から濃い順 中心から薄い順

 

  • 同じ色のものを探す(色板Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)

家にあるもので色板と同じ色グループを探します。

さらに、色板Ⅲを使ってまったく同じ色を探します。

色板の横に並べて同じ色か確認します。

同じ色のグループの中でも、当てはまらない色があることが分かります

色板の1つの色グループの中にあるのは7色だけ。

世界の色の多彩さに気がついていきます。

 

  • グラデーションの中のどの色か当てる(色板Ⅲ)
① 子どもに目を閉じてもらい、1色取り出す ② 隙間がないように並べる ③ 子どもに目を開けてもらい、どの部分の色か当ててもらう

 

  • 色彩記憶(色板Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)

1つの色を注意深く眺めてから、その色を持たずに、同じ色を探す練習です。

① 色板を1枚取り出し、よく見て色を覚える ② 家の中にあるものから同じ色のものを選んで持ってくる

 

 



まとめ モンテッソーリの「色板」

色にこだわる時期におすすめなのが色板のお仕事です。

この時期の子どもは、大人でも苦戦する濃淡の微妙な差をはっきりと見分けます。

色板で感覚をより研ぎ澄まし、外の世界に目を向けるとさらにおもしろいです。

  • 空と同じ色って、つくれるかな?
  • 落ち葉を集めて、グラデーションにできるかな?
  • 目の色もグラデーションになってる!

子どもの興味の広がりに、大人も驚かされます。