数に興味を持ちはじめたら紹介する教具「セガン板」。
百均で材料をそろえて 簡単に手づくりができます!
モンテッソーリ教具「セガン板」とは?
セガン板は モンテッソーリの「算数教育」で使われる「教具」です。
色ビーズや金ビーズと一緒に使うことが多いです。
では 具体的にセガン板がどんなものか みていきましょう。
モンテッソーリ教具「セガン板」の目的
セガン板の目的は 大きく2つあります。
- 数字と数詞を一致させる
- 連続数を理解する
①数字と数詞を一致させる
セガン板を使うことで、「11」という数字と「じゅういち」という数詞が 一致することを体得します。
数字を理解しはじめた子どもはよく、11を「10」と「1」で「101」としてしまいます。
11を「101」ではなく「11」と表記することを セガン板を通じて 理解していきます。
②連続数を理解する
11の次は12、12の次は13、13の次は14、…
このように数が 延々と続いていくことを理解します。
セガン板ⅠとⅡの最後は それぞれ空白になっているのですが、これは「次は何の数字が来るんだろう?」と 子どもが興味を持って取り組めるように工夫されているのです。
モンテッソーリ教具「セガン板」の詳細
セガン板にはⅠとⅡがあります。
教具名 | 内容 | 画像 |
セガン板Ⅰ |
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セガン板Ⅱ |
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正規品は すべて木製で 木箱に収められています。
モンテッソーリ教具「セガン板」の提示
モンテッソーリ教具は 好きなように遊ばせる、というわけではなありません。
まず大人が子どもを「観察」し、その子どもの興味が向いている「教具」に誘うところから始まります。
「教具」の使い方を やってみせることを「提示」といいます。
言葉ではなく 動作で教えます。
- まわりに気が散るものを置かない(子どもに集中して見てもらう)。
- 教えたい行為を一つだけ取り出す(つかむ、置く、など)。
- その行為を構成する動作を分析する(つかむとき どう腕を出して どの指から触っていくか)。
- 一つひとつの動作を はっきり、ゆっくり、正確に示す(普通のスピードの8倍スローで)。
- 話しかけるときは動作を止める。動作を見せるときは話さない。
- 難しそうなところはくり返す。
ここでは セガン板Ⅰを使った「お仕事」を紹介します。
11〜19の連続数を理解するのが目的です。
「提示」は このようになります。
セガン板Ⅰの「提示」
- 10を確認する
「これは?」と 1枚目の板にある10を 順番に指さして確認する
- 「10の次は…11」と言いながら、数字カードをスライドさせる
左の指を十の位から一の位に動かしながら、一の位のカードを入れる
- 「11の次は…12」と言いながら、数字カードをスライドさせる
- 「11、12」とできあがった連続数を数え、「12の次は…」と以下くり返す
他にも、金ビーズや色ビーズを使って 数量と数字と数詞の3つを一致させる お仕事もあります。
「提示」がおわって いよいよ子どもが自分でやってみる!となったとき、ポイントを意識しながら見守っていきましょう。
ついつい口や手を出して 訂正しそうになるのを 我慢です。
- 子どもがやっているところを訂正しない。やり終わってから もう一度「提示」する。
- くり返し教える。1回「提示」して終わりではない。
- 自分からやりたいときに やらせる。自己選択が成長の最初の段階。
子どもが興味をもつ時期を逃さずに 「環境」を提供して見守っていけるといいですね。
モンテッソーリ教具「セガン板」の材料と費用
セガン板ⅠとⅡ どちらも作る場合の材料です。
- ダイソー 貼れるボード 2つ 220円
- ダイソー かずカード 110円
- クリアファイル 2枚 110円
計440円
材料の画像は こちらです。
ボードは 両面テープ付きが 便利でおすすめです。
クリアファイルは家にあれば わざわざ買わなくてOKです。
モンテッソーリ教具「セガン板」の作り方
- かずカードをプリンタでコピーする
- コピーした数字をカットする
- 貼れるボードをカットする
- クリアファイルをカットする
- ボードに 数字→クリアファイル→カットしたボードの順で貼る
- かずカードの絵の面を隠す
では 順番に作り方を説明していきます。
①かずカードをプリンタでコピーする
かずカードを2枚並べたときと 同じ大きさになるように 1と0をコピーして配置します。
縦7.3㎝×横10㎝の大きさに おさまるようにします。
配置するときのポイントは ①中心線を揃えること、②行の中央に配置すること、です。
配置できたら、10を10個 コピーします。
10のコピーで使ったA4用紙の1の上に 2〜9のかずカードを セロテープで軽くとめて配置します。
かずカードを貼ったものをコピーすると 数字の間に線が印刷されてしまいます。
修正テープで消してから もう一度コピーします。
②コピーした数字をカットする
コピーした紙から、10を10枚、20〜90を1枚ずつカットします。
大きさは 縦7.3㎝×横10㎝ です。
③貼れるボードをカットする
貼れるボードを10㎝の幅にカットします。
10㎝幅のボードを さらに以下のように カットします。
- 縦 42.5 ㎝ × 幅 10 ㎝ … 4枚
- 縦 1 ㎝ × 幅 10 ㎝ … 24枚
④クリアファイルをカットする
コピーした数字をラミネート加工して ボードに貼ることもできます。
ここでは クリアファイルを使ったやり方をご紹介します。
クリアファイルを 以下の大きさにカットします。
- 縦 25㎝ × 幅 10 ㎝ … 4枚
- 縦 16.5㎝ × 幅 10 ㎝ … 4枚
ちなみに、ラミネート加工かクリアファイルを使うのは、セガン板は数字カードをスライドさせるためです。
紙だけを貼った状態だと 強度が弱くなり、使っているとすぐにボロボロになってしまいます。
⑤ボードに 数字→クリアファイル→カットしたボードの順で貼る
カットして揃えた材料を使って、組み立てていきます。
ボードの両面テープを剥がす | 数字を1㎝間隔で貼る | クリアファイルを貼る |
縦1㎝のボードを貼る | 剥がした後の台紙を使い… | 見た目をキレイにする |
縦1㎝のボードの面がボロボロになりやすいので、剥がした台紙に両面テープを貼ってボロボロの面が隠れるようにします
数字カードがスライドできるように… | 調整してボードを貼る | 完成! |
縦1㎝のボードを貼る位置は、数字カードを使い スライドできるか確認しながら貼りましょう
⑥かずカードの絵の面を隠す
かずカードはそのままでもよいのですが、裏返して置くときに 絵が目に入ってくると 注意がそれてしまいます。
おすすめは 絵の面を隠すことです。
私がやったのは、コピー用紙で絵を隠し、その上からボードを剥がした後の台紙をカットして貼りました。
台紙だけだと 絵が透けて見えてしまうので、コピー用紙+台紙が おすすめです。
モンテッソーリ教具「セガン板」を手づくりした結果
満足度を表にしてみました。
お金 | |
時間 | |
完成度 |
低コストで けっこう簡単に作れて 満足です!
長男もスムーズに「お仕事」に取り組んでくれました。
家庭でのモンテッソーリ教育で、教具をすべて買い揃えるのは かなり困難です。
自宅でモンテッソーリ教育を取り入れている方には 手づくりできる教具は 作ってみるのを ぜひおすすめします!