子どもは2歳をすぎてくると、手を思うように動かせるようになってきます。
- ハサミに興味を持つようになった
- ハサミを持ちたがる
- 小さいものをつまめるようになってきた
このようなサインをキャッチしたら、ハサミを使って「切る」お仕事を用意してみましょう。
モンテッソーリの「切る」お仕事とは?
「切る」お仕事は、モンテッソーリの「日常生活の練習」の活動です。
指を思うように動かしたい時期の子どもにぴったりの活動です。
子どもが興味を持っている時期に始めることで、吸収力が上がり、ハサミを上手に使うことができるようになります。
また、指を動かすことは脳の発達も促します。
子どもからのサイン!「切る」お仕事のはじめどき
はじめるタイミングは「敏感期」に合わせるのがポイントです。
具体的な子どもからのサインはこんな感じ。
- ハサミに興味を持ち始めた
- 小さいものをつまむことができるようになった(指の力を調整できる)
年齢でいうと2歳半〜3歳ごろがはじめる目安です。
ただ、年齢にこだわらなくても大丈夫です。
子どもは そのときの成長に1番必要なものに強く興味をもちます。
子どもを観察して、ちょうどよいタイミングで 子どもに合ったお仕事を用意していきましょう。
すぐに用意できる!「切る」お仕事に必要なものは?
必要なものは、この3つ。
- 子ども用のハサミ
- 切る紙(画用紙)
- 切った紙を入れるカゴ
ハサミは、穴の大きさが違うものを用意しましょう。
「親指が小さい穴」「人差し指と中指が大きい穴」ということが分かりやすいからです。
ハサミの扱いに慣れてきたら、穴の大きさが同じものを使っていきましょう。
「切る」お仕事の紙は
- 手づくりする
- ネット上から無料ダウンロードする
- フリマサイトで購入する
などの方法で用意できます。
- 手づくりする
わが家では、最初のころに使う「切る」ための図案は手書きで用意しました。
A4用紙に図案を描き、スキャンして画用紙に印刷する |
こんな感じで用意。
- ネット上から無料ダウンロードする
無料で知育教材をダウンロードさせてもらえるサイトがたくさんあります。
その中からダウンロードしたものを「切る」教材として使っています。
わが家のお気に入りは、『ちびむすドリル』の「初めてのハサミ」。
直線(たて)を切るのは最初は難しいので、横に線を入れます。
この横線を切る練習からスタート。細い幅から始めて、慣れたら太い幅にチャレンジ。
わが家では毎回横線をひくのはたいへんなので、横線をひいた用紙を保管しておいて、必要なときにカラーコピーして使っています。
モンテッソーリ教育の視点でおすすめの無料ダウンロードサイトは、こちらをご覧ください ▼
- フリマサイトで購入する
「手づくりする時間ない…」という方は購入すれば、即スタートできます。
メルカリでは、多数の教材がお手頃価格で出品されていておすすめです。
※ 初めて利用する方は、紹介コード「RMKNTU」を入力すると500Pのプレゼントがあります!
「切った紙を入れるカゴ」は、自宅にある物や百均で購入して用意すればOKです。
モンテッソーリの「切る」お仕事
ハサミに興味を持ち始めたら、「切る」お仕事に誘ってみましょう。
提示について詳しく知りたい方は、 こちらをぜひご覧ください。
必要なものを用意します。
最初は「線のない画用紙」で切る練習を始めます。
子どもが1回で切れる太さがベストです(2×13㎝くらいの短冊)。
- ハサミの注意点を伝える
「ハサミはここが切れるから気をつけようね」
「ここに指をもってこないでね」
「危ないから、ここを人に向けないようにしようね」
と伝えます。
- ハサミの持ち方を確認する
「はさみはこうやって持ちます」とゆっくり見せます。
小さな穴に親指を入れ、大きな穴に人差し指と中指を入れる |
「はさみはこうやって動かします」とゆっくり見本を示します。
「やってみる?」と、子どもにもやってもらいます。
- ハサミで紙を切る
「紙を切ってみようね」と紙を子どもに見せます。
「何色がいい?」と質問し、子どもに好きな色の紙を選んでもらいます。
子どもが選んだら「切ってみるね」とハサミで紙を切ります。
カゴの上で切って、切った紙がカゴに入るようにします。
- 終わったら、片づける
提示のポイントは
- 1つひとつの動作をゆっくり(8倍スロー)
- 難しいところはくり返す
- 子どもが見ているか確認しながら進める
です。
子どもが苦戦していたら、一息ついたタイミングで 苦戦ポイントに絞ってゆっくり提示してみましょう。
「切る」お仕事のステップアップ
ハサミの習熟度を観察しながら、徐々に切る紙の難易度を上げていきましょう。
線切り
まずは短冊状にした画用紙でスタート。
(短冊の大きさは、2×13㎝くらい)
① 線なし → | ② 太い線 → | ③ 細い線 |
1回切りに慣れてきたら、2回切りの短冊を用意してみましょう。
短冊の大きさは、4×13㎝くらい。
2回切りに慣れてきたら、連続切り(縦線切り)に進んでみましょう。
短冊の大きさは、3.5×13㎝くらい。
④ 縦線(太い → 細い) | |
連続切りに慣れてきたら、曲線やギザギザの線を切る練習をしてみましょう。
渦巻き
線切りに慣れてきたら、渦巻きを切ってみましょう。
子どもが右利きなら、渦巻きは以下の写真のように「右下からスタート→反時計回り」がおすすめです。
渦巻きの画用紙は、A4の半分くらいにすると切りやすいです。
子どもにとって曲線の方が簡単なので、曲線の渦巻きからスタートして慣れてきたら四角い渦巻きにチャレンジしましょう。
⑤ 渦巻き(粗い → 細かい) | |
⑥ 四角い渦巻き(粗い → 細かい) | |
切り抜き
渦巻きに慣れてきたら、いろんな図形を切ってみましょう。
ここでも曲線(円形)からスタートして八角形→四角形→三角形→星形と難易度を上げていきます。
最初は、はさみをどこから入れるのか分かりやすいように、画用紙の端まで線を引くのがおすすめです。
⑦ 図形(丸→楕円→三角) | ||
図形切りに慣れてきたら、より複雑な図形を切る練習をしてみましょう。
⑧ 絵柄を切り取る | |
出典:『ちびむすドリル』「はさみの練習」 | 出典:『ゆびさきクラブ』「はさみの練習」 |
二つ折り、四つ折り
さらに応用編として、折り紙を折って切り絵をすることもできます。
⑨ 折って重ねて切る(半分折り→四つ折り) | |
図案は、はじめは簡単なものからスタートして、慣れてきたら複雑なものにチャレンジしましょう。
ハサミを思うように動かせるようになると、複雑な図案をキレイに切ることもできるようになります。
まとめ モンテッソーリの「切る」お仕事
ハサミを思うように動かす練習の「切る」お仕事。
手の動きを調整する練習は、脳の発達にもつながります。
子どもが興味を持つ図案や絵を用意して、徐々に難易度を上げて取り組んでみましょう。