子どもが指先を使って「つまむ」動きをするようになったら、「ひも通し」の活動に誘ってみましょう。
モンテッソーリの「ひも通し」とは？
ひも通しは、モンテッソーリの日常生活の練習で使う道具の1つです。
こういった活動を通じて、日常生活で子どもが主体的に身のまわりのことに取り組み、自信を持って過ごすことを目指しています。
「ひも通し」のねらい
ねらいは大きく2つあります。
- 指先の動きを洗練させる
- 集中力を身につける
- 指先の動きを洗練させる
- 小さなビーズをつまむ
- ひもをつまむ
- ひもを穴に通す
このような活動をすることで、より細かい指先の動きを身につけていくことを目指しています。
- 集中力を身につける
穴にひもを通すのは、小さな子どもにとって難しいことです。
穴をよく見て、ひもを持つ指先を調整して通すにはとても集中力が必要だからです。
しかし、何度もくり返すことで集中力が身につきできるようになっていきます。
そして集中することで、子どもの脳の発達が進んでいくのです。
子どもからのサイン！「ひも通し」のはじめどき
はじめるタイミングは「敏感期」に合わせるのがポイントです。
ひも通しは、手先を使ったより細かい動きを身につけたい意欲が盛んな時期におすすめです。
具体的な子どもからのサインはこんな感じ。
- 指先で小さなものをつまむ動きをするようになった
- 「棒とおし」の活動に慣れ親しんできた
年齢でいうと2歳〜3歳ごろがはじめる目安です。
ただ、年齢にこだわらなくても大丈夫です。
子どもは そのときの成長に1番必要なものに強く興味をもちます。
子どもを観察して、ちょうどよいタイミングで 子どもに合ったお仕事を用意していきましょう。
手づくりできる「ひも通し」の活動
ひも通しの活動は、指先の動きの習熟度に合わせて道具を用意します。
最初は穴が大きく、ひもが太いもの。
だんだん穴を小さく、ひもを細くして難易度を上げていきます。
木製ブロックのひも通し
最初は大きめの木製ブロックとひもでやってみましょう。
ひもの先端は、テープを巻いて穴に通しやすいようにします。
くつひもの先端のイメージです。
木製ビーズのひも通し
大きめの穴と太めのひもで活動に慣れてきたら、難易度を上げてみましょう。
- 直径17mmの木製ビーズ（穴直径7mm）
- カラーモール
百均や手芸用品店で揃えることができます。
2〜3歳ごろの子どもが扱いやすいように、ビーズは小さすぎないようにしましょう。
ひもは最初、カラーモールを使うのがおすすめです（柔らかいひもだと扱いづらいため）。
カラーモールに慣れたら難易度を上げて柔らかいひもを導入してみましょう。
- カラーモールの端を曲げ、テープでとめる
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くつひもの先のようなイメージ。
モールの端から針金が出ているのでケガしないように安全対策をします。
- カラーモールの反対の端を丸める
通したビーズが下から落ちないようにストッパーの役目をします。
皿やトレーにセットしたら完成です。
トレーは持ち手があるものを使うと小さい子どもが運びやすくておすすめです。
3歳以降の「ひも通し」の活動
ひも通しに慣れ親しみ、指先を思うように動かせるようになると、さらに細かい活動に進んでいきます。
- 針に糸を通す「縫いさし」の活動
- 小さなビーズにワイヤーを通し作品を作る活動
より小さくなった穴に、より細くなった糸（ワイヤー）を通す活動によって、指先の動きを完成させていきます。
モンテッソーリの「ひも通し」の提示
子どもがひも通しに興味を示したら、まずは提示してみせます。
ここでは「木製ビーズのひも通し」を例にしてご紹介します。
提示について詳しく知りたい方は、 こちらをぜひご覧ください。
- 左手で木製ビーズを持つ
- 右手でモールを持つ
- ビーズにモールを通す
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| 穴に通したら | ビーズを下までおろす |
いくつかビーズを通していきます。
- 終わったら、片づける
提示のポイントは
- 1つひとつの動作をゆっくり（8倍スロー）
- 難しいところはくり返す
- 子どもが見ているか確認しながら進める
です。
最初はひもの持ち方や穴を通すのに苦戦しがちです。
一息ついたタイミングで 苦戦ポイントに絞ってゆっくり提示してみましょう。
「ひも通し」の活動の様子
実際に子どもがやっている様子をご紹介します。
最初はなかなかビーズを通せずに苦戦していました。
慣れてくると、モールの色とビーズの色をそろえるようになりました。
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まとめ モンテッソーリの「ひも通し」の活動
小さなものをつまむ動きは「指先をもっと思うように動かしたい！」という子どもからのサインです。
子どもの欲求をキャッチしたら、ひも通しの活動にぜひ誘ってみましょう。
百均や手芸店で材料を買えばすぐに始めることができる活動です。
提示も簡単で、子どもも遊び感覚で楽しめるのでおすすめです！
